株は売らなければ損しない理論をぶった斬る

2025年1月23日

株式投資を始めたばかりの方がよく口にする言葉に、「売らなければ損しない」というものがあります。この考え方、一見もっともらしいですが、実際には非常に危険な落とし穴が潜んでいます。本記事では、この理論を検証し、なぜ場合によっては「売らなければ損する」ことになるのかをわかりやすく解説します。

確かに、企業価値が右肩上がりで成長し続ける会社の株であれば、「売らなければ損しない」という理論は正しいと言えます。企業価値が成長すれば株価もいずれそれに連動して上昇します。

例えば、過去10年で右肩上がりの成長を遂げたテクノロジー企業を思い浮かべてみてください。こうした企業は、新たな製品やサービスを次々と生み出し、市場を拡大してきました。その結果、株価も長期的に見て上昇を続けています。このような場合、「売らなければ損しない」という考え方は通用するのです。

一方で、企業価値が成長を止めたり、むしろ低下してしまった場合、この理論は全く当てはまりません。むしろ、「売らなければ損する」という現実に直面します。

例えば、かつて栄えていた業界の企業で、競争激化や市場の縮小により業績が悪化した会社を考えてみてください。株価が下がり続けた場合、そのまま持ち続けても回復する見込みがないことが多いです。さらに、配当が減配されたり、最悪の場合、倒産のリスクすらあります。

株を売らずに持ち続けると、含み損が膨らみ、次第に冷静な判断ができなくなります。また、その資金を成長が期待できる他の株に振り分ける機会を失ってしまいます。こうした状況を避けるためには、冷静に企業価値の見極めを行い、必要に応じて売却を検討することが重要です。

「売らなければ損しない」という理論は、企業価値が右肩上がりに伸び続ける会社に限っては正しいですが、それ以外のケースでは危険な誤解を生む可能性があります。株式投資では、企業価値の変化に応じて適切な判断を下すことが求められます。

株式投資は学びの連続です。一つひとつ経験を積み重ねることで、より賢明な判断ができるようになります。焦らず、自分のペースで成長していきましょう！応援しています。