PERの目安は何倍?
PERとは?目安としてどれくらいが適切?
PER(株価収益率)は、株価がその企業の利益に対して割高か割安かを判断するための重要な指標です。
たとえば、PERが15倍というのは、現在の利益水準が続くと仮定して、15年かかって投資額が利益で回収できるイメージです。
PERの目安としては、一般的に15倍から20倍あたりが「妥当」と考えられますが、これも業界や市場環境によって変わることがあります。
PERは、株価を1株あたりの利益(EPS)で割って計算されるので、企業がどれくらいの利益を生み出しているか、そしてその利益に対してどの程度の株価がついているかを知るための目安になります。
PERの目安を考える上で重要なリスクプレミアム
投資では「リスクプレミアム」という考え方が大切です。
これは、リスクを取ることで得られるリターンの上乗せ部分のことを指し、PERの目安を考える際の基準となります。
例えば、安全な資産(たとえば国債)ではリターンが低くてもリスクが少ないですが、株式投資ではリスクが高いため、それに見合ったリターンを期待します。
このリスクプレミアムに基づいて、株式投資のリターンが6%だとすると、PERの目安は次のように計算できます:
PER = 1 ÷ 期待リターン(6%) = 約16.7倍
このように、リスクプレミアムを踏まえることで、PERの目安を具体的な数字として導き出せるのです。
危険な株と安全な株で変わるPERの目安
PERの目安は、企業のリスクによっても大きく変わります。
危険な株は通常、PERが低くなる傾向があり、安全な株はPERが高くなりがちです。なぜなら、投資家はリスクが高い企業に対しては慎重になり、その分株価が安く評価されるからです。このような株は「将来どうなるか分からない」という不安があるため、PERの目安も低く設定されることが多いです。
一方で、安定成長している企業や信頼性が高い企業は、将来の利益が予測しやすく、投資家も安心して投資をするため、PERが高くても買われる傾向があります。したがって、安全な株のPERの目安は少し高めに見積もられるのが一般的です。
たとえ話:中古車の値段とPERの目安
PERの目安を中古車の例で考えてみましょう。
古い車や走行距離が長い車は、故障のリスクが高くなります。このため、価格は安く設定されており、買う側も「もしすぐに壊れたらどうしよう」という不安から慎重に購入します。リスクが高いため価格が低い、つまりPERの目安も低くなるわけです。
一方、信頼できるメーカーの新しい車であれば、多少高くても安心して買えるため、価格も高くつきやすいです。投資でも同様に、信頼できる企業には高めのPERがつき、PERの目安も高くなります。このように、PERの目安はリスクと信頼性のバランスを反映しているのです。
PERの目安を基にした投資判断
PERが低いからといって必ずしも「お得な株」とは限りません。特にPERが低い場合、投資家はその企業が抱えるリスクや将来の不確実性を警戒している可能性があります。逆に、PERが高い場合も過度に期待が集まっている可能性があり、注意が必要です。
一般的なPERの目安として、15倍から20倍の範囲が妥当とされますが、これはあくまで目安であり、企業の成長性やリスクをしっかりと評価した上での判断が必要です。
PERだけでなく、その背後にあるリスク要因を考慮することが、長期的に安定した投資をするための鍵になります。
まとめ
PERは、企業の株価が利益に対してどれくらい割高か割安かを示すための目安です。PERの目安を考える際にはリスクプレミアムを踏まえ、また企業のリスクや信頼性も考慮することが重要です。
リスクが高い企業ではPERが低くなり、信頼できる企業ではPERが高くなる傾向があります。PERの目安を単なる数字として見るのではなく、その背景を理解することで、より賢明な投資判断ができるでしょう。
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