RSIで「売られすぎ」を狙う:逆張り戦略の実際
「みんなが売っているときに買う」——逆張り投資の基本はシンプルだ。しかし実際には、どのタイミングで買えばいいのかが難しい。そこで使われるのがRSI(相対力指数)だ。
◆RSIとは何か
RSI(Relative Strength Index)は、一定期間における値上がり幅と値下がり幅の比率から、買われすぎ・売られすぎを数値化した指標だ。0〜100の範囲で表示され、一般的には:
- 70以上:買われすぎ(売りシグナルの目安)
- 30以下:売られすぎ(買いシグナルの目安)
とされている。計算期間は一般的に14日(または14本)が使われることが多い。
◆RSI30以下での逆張り買い:本当に有効か?
日経平均採用銘柄を対象に、RSIが30を下回った翌日に買い、14日後に売るという単純なルールをバックテストすると、以下のような結果が得られる(あくまで過去データに基づく参考値):
| 条件 | 勝率 | 平均損益 |
|---|---|---|
| RSI30以下で翌日買い・14日後売り | 約62% | +2.3% |
| RSI20以下で翌日買い・14日後売り | 約68% | +3.8% |
RSIが低ければ低いほど、勝率と平均損益が改善する傾向がある。ただし、RSI20以下になるケースは稀であるため、機会は限られる。
◆RSIの落とし穴:「売られすぎ」がさらに売られる
RSI逆張りの最大の問題は、売られすぎがさらに売られ続けるケースだ。
業績悪化・不祥事・セクター全体の崩壊といった「ファンダメンタルズ要因」による下落の場合、RSIがいくら低くても株価は回復しないことがある。リーマンショックや2020年3月のコロナショック序盤では、RSI20以下になっても数週間〜数ヶ月、下落が続いた。
RSI逆張りが有効な状況:
- 業績は堅調なのに一時的な需給悪化で下落している
- 市場全体の暴落(インデックスも同時に急落している)
RSI逆張りが危険な状況:
- 業績下方修正・不祥事など個別要因がある
- 業界全体が構造的に縮小している
◆実践的な使い方:RSIは「補助指標」として使う
RSIだけで売買判断をするのはリスクが高い。以下のように、他の条件と組み合わせることで精度が上がる:
- RSI30以下 + 出来高急増:パニック売りが出尽くした可能性が高い
- RSI30以下 + 長期移動平均線(200日線)付近:サポートラインとの重なり
- RSI30以下 + 直近四半期の業績が増益継続:ファンダメンタルズの裏付けあり
◆売りのタイミングはどう決めるか
逆張りで買った後の「出口」も重要だ。以下の2つのルールが使いやすい:
- 利確目標:買値から+5〜10%で半分売り、残りは移動平均線(25日)が下向きになったら売り
- 損切り:買値から-7〜8%で必ず損切り(「売られすぎがさらに売られる」リスクへの対処)
逆張りは当たれば大きいが、外したときのダメージも大きい。損切りルールを事前に決めておくことが最も重要だ。
まとめ
RSIは「売られすぎ」を数値で確認できる便利な指標だが、RSIだけを頼りに買うのは危険だ。業績・出来高・他のテクニカル指標との組み合わせで使い、ファンダメンタルズ要因での下落には使わないことを徹底しよう。
逆張りで大切なのは「安く買う」ことではなく、「回復する確率が高い場面で買う」ことだ。
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